●サラっとよく分かる基礎知識
1.介護保険制度とは…
従来、老人福祉と老人医療に分かれていた制度を再編・一元化し、福祉サービス・保険医療サービスを、自由選択により利用できる体系として、介護を必要とする状態になっても、自立した生活ができるように、高齢者の介護を国民みんなで支えようとする制度です。
2.なぜ、介護保険が必要か…
様々な論点はありますが、第1に、これまでの福祉サービス供給の問題点。すなわち、
●介護サービスの内容が公的部門によって一方的に定められ、利用者は自らの意志によってサービスを選択できないこと。
●サービス受給の要件として所得審査や家族関係の調査など国民の権利を阻害しがちなこと。
●租税を財源とする一般会計に依存しているため、予算上の制約が厳しいこと。
第2に、本来は疾病を治療する施設である病院が介護サービスの供給を、事実上引き受けて来たこと。
第3に、病院や施設以外の在宅介護への支援が、きわめて不十分であり、介護期間の長期化にともなって、家族の介護負担が過重なものとなっていること。
等の問題点を解消するために、社会保険制度と同一の財政制度に統一化する必要があったためとされます。また、介護サービスの仕組みを公的福祉から介護保険へと移すことで、サービスの供給主体が公的部門だけでなく、民間部門(非営利団体を含む)にも広がるメリットも考慮されています。
3.医療保険とはどう違う?
また、介護保険適用の人でも、風邪や骨折などになった場合は医療保険の対象となります。
療養病症に入院している人の場合、リハビリや床ずれなどの長期療養に対する「日常的な医療行為」は、介護保険からの給付となりますが、手術や透析などの「頻度が少ない複雑な医療行為」は医療保険の対象となります。
居宅サービスの場合、要介護者に対する日常の訪問介護は介護保険の対象となりますが、状態が急変したときなどの緊急時は、医療保険の対象となります。
介護保険と医療保険が同時に対象となることはありません。また、保険料を払っていれば誰でも介護サービスを受けることができるというわけではありません。
4.介護保険を使える人は?
市町村の要介護・要支援の認定を受けた人です。
○第1号被保険者…65歳以上の方で、「要介護者」「要支援者」と認定された人
○第2号被保険者…40歳〜64歳の方で、がん末期、初老期認知症や脳血管疾患などの老化に
伴う
16の特定疾病によって、介護や支援が必要と認められた人。

5.要介護・要支援認定って?
介護保険のサービスを利用するには、はじめに市町村の窓口で「要介護・要支援認定の申請」をします。
要介護認定の申請をすると、市町村の職員や委託された専門家が心身の状態等に関する訪問調査に来ます。
また、かかりつけの医師に意見書を書いてもらい、これらの調査結果をもとに、
■「要介護1〜5」…介護が必要
■「要支援1、2」…予防的な対策が必要
■「非該当」…介護保険の対象とならない
の区分に分けて認定されます。
6.サービスを利用したいときはどうすればいいの?
要支援、要介護の判定を受けたら、介護予防サービス計画または介護サービス計画を作成し、それを基に、各サービス提供者から必要な介護サービスを受けることになります。
●介護予防サービス計画は、各市町村の地域包括支援センターまたは
地域包括支援センターが委託した居宅介護支援事業者が作成します。
●介護サービス計画は、利用者が選んだ居宅介護支援事業所や施設の介護支援専門 員(ケアマネジャー)が作成、また、サービス事業者との連絡や調整を利用者に 代わって行います。
7.どんなサービスが受けられる?
大きく分けると…
●「居宅介護支援」要介護認定の申請やケアプランの作成を行う
●「居宅サービス」在宅で生活しながらサービスを受ける
●「施設サービス」施設に入所して、そこで生活しながらサービスを受ける
の3種類に分けることができます。
また、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスと、
それぞれに細かくサービスの種類が分かれています。
8.サービスの利用料はどうなるの?
利用者はサービス利用料の1割を自己負担します。
但し、施設での食費・居住費については、介護給付の対象とならないため、原則、全額自己負担となります。(低所得者への軽減措置あり)
■サービスの利用制限
居宅サービスには、要介護度に応じて利用できるサービスの限度額が設けられています。これを「支給限度額」といい、必要とするサービスの利用で、限度額以内であれば介護保険の給付対象として保険給付が受けられます。
利用限度を超えてサービスを利用することもできますが、その場合、限度を超えた分の費用は全額利用者の負担となります。
■自己負担額の軽減
介護サービスを利用したときに支払う自己負担額には、著しく高くならないように上限額が設けられています。
この上限額を超えた分は、あとで市町村(保険者)から払い戻される仕組みになっています(高額介護サービス費)。
所得の低い方の場合は、この上限額が低く設定されています。

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